包丁屋が手がける本格派、プログレードの千切り器・スライサー

包丁屋が手がける本格派、プログレードの千切り器・スライサー

刃物の町である新潟・三条生まれの1874年に創業した包丁メーカー、下村工業。伝統の刃物づくりの技術を活かしてつくられたのが、プロの切れ味にこだわった「プログレード」シリーズの千切り器・スライサーです。包丁のような切れ味の秘密は、包丁と同じ技術を使ってつくられているから。ワンランク上の使い心地の理由は、その伝統と製造工程にありました。

プロの仕上がりに、プログレードシリーズ

千切り器

  • 快速細千切り器
  • 快速千切り器
  • 快速太千切り器
  • 快速ミニ千切り器
  • 快速薬味千切り器

スライサー

  • スピードキャベツスライサー
  • 快速キャベツスライサー
  • スーパーフードスライサー
  • 厚み調整機能付スライサー
  • 薄切りできる
    厚み調整スライサー
  • 厚み調整ミニスライサー

プログレードは、プロの道具の切れ味や機能にこだわったシリーズ。ひと手間加えて、より使いやすさを追求しています。例えば千切り器の場合は、刃が両方向についているので、押し引きの往復動作で素早く千切りできます。スライサーは厚みのある刃を使用して強度を高めつつ、刃先を鋭角に仕上げることで、より鋭い切れ味に。

これまでの千切り器やスライサーでは満足できなかった方にも使っていただきたい、ワンランク上の逸品です。

伝統と進化の歴史

刃物の町、新潟・三条生まれの老舗包丁メーカー

下村工業の歴史は、1874年まで遡ります。日本有数の刃物産地である新潟・三条にて鍛冶屋として創業。鎌や鍬(くわ)などの農具用の刃物などを製造し、戦前の日本の生活を支えてきました。

戦後は、ステンレス製包丁の製造にいち早く着手。現在に至るまで日本の包丁業界を牽引してきました。職人の技と高精度な加工技術が活かされた包丁は、一般家庭だけでなくプロからも多く支持されています。また包丁以外にも、フードプロセッサーの刃など多種多様な刃物の生産に力を入れてきました。

アイデアを形にする樹脂成形

1990年からは、プラスチック樹脂成形の分野にも力を入れています。金属だけでは難しかった柔軟なものづくりが可能になり、時代のニーズに合わせた様々なアイデア商品を開発してきました。

なかでも、樹脂の本体に刃を組み合わせた千切り器やスライサーは、まさに下村工業が得意とするところ。使いやすさにこだわった形に、鋭い切れ味の刃。その両方を自社で製造できるからこそ、質の高い千切り器やスライサーが生まれるのです。

品質管理には最新機器を積極的に導入。人の主観に頼りがちな“切れ味”を数値で定量的に評価することが、品質を保つために重要だと考えています。

スライサーができるまで

プログレードの道具は、職人の技術と最新機器を組み合わせてつくられています。千切り器もスライサーも、刃と本体の樹脂部分を別々につくり、最後に合体させます。ここではスライサーを例に紹介します。

型抜き

スライサーの刃は、基本的に包丁の刃と同じ流れでつくられます。刃の材料となるのは、板状の刃物用ステンレス。職人がプレス機の調整をしながら、型で抜いていきます。

焼入れ

切れ味のいい刃物には、硬度が重要。約1,050度の電気炉の中で熱することで、より硬く強くします。温度が高すぎると脆くなり折れやすくなる一方で、低すぎると硬度が足りません。温度管理が非常に重要なのです。
できあがった刃は、必要な硬度を満たしているか硬度計で検査を行います。

研削・刃付け

焼入れが終わり硬度が増した刃は、表面全体をなめらかに削り上げます。そして、刃先に砥石を当てて鋭利に仕上げる「刃付け」という工程へ。刃物の切れ味を決める大事な作業です。

まず機械を使って刃先を薄くする「粗刃付け」を行い、さらに一つ一つ職人が手で磨く「仕上げ刃付け」を行います。刃の先端ほんの数ミリのところだけ鏡のようにピカピカに仕上げることで、食材の抵抗を減らすことができるのです。

プログレードのスライサーと他のスライサーの大きな違いは、この工程にあります。そもそもプログレードのスライサーは、通常より厚みがあるステンレス刃物鋼を使用。刃付けの工程で刃先を鋭角に削ることで、より切れ味の鋭い刃が出来上がるのです。見た目では分かりにくい些細なことですが、実際に使ってみると切れ味が全然違う。それは、この刃付け技術のたまものなのです。

検査

出来上がった刃は検査へ。下村工業のこだわりは、全数検品。必ず自社で全品検査し、合格点に達したものだけが次の工程に進みます。

目で直接見ての検品だけでなく、最新機器を使った刃先の状態の検査や切れ味の測定なども行います。

本体

成形

本体の材料は、「ペレット」と呼ばれる米粒大の樹脂。これを300度前後に加熱してどろどろに溶かし、製品ごとに異なる型に流し込んで成形します。
一連の作業は専用の機械で行いますが、その日の気温などの条件を見ながら機械を調整するのは人の仕事。できあがったものを確認しながら、コントロールしています。

組み立て

刃と本体ができあがったら、いよいよ組み立ての作業です。製品ごとに専用の治具(じぐ)を使います。治具とは、部品を正しい位置で組み立てるために欠かせない道具。治具に刃と本体をセットすれば、それぞれに空いた穴がぴたっと合う位置でネジ止めすることができます。

検査・包装

刃の製造工程でも検品を行いましたが、全体が完成したタイミングでもう一度検査します。
特に重視するのが刃の位置。ほんの少しずれてしまうだけで、スライサーの使い心地は大きく変わってしまうもの。専用の測定治具を用いて正確に検査し、寸分の狂いも許しません。

検査を通った製品は、丁寧に包装された後、出荷されます。

製造の工程をご覧いただくと分かるのが、多くの工程が人の手によるものだということ。最新の機械や技術を取り入れて効率と精度を上げながらも、大切なところは人が責任をもつ。新しいことと伝統を織り交ぜるからこそ、高品質なプログレードの道具が生まれるのです。